メゾンのオブジェ
ジュエリーと高級時計のサヴォアフェールで知られるヴァン クリーフ&アーペルは、あまり広く知られていない特別なオブジェとオートマタ(からくり時計)の分野でも、卓越した存在感を示してきました。これらは、洗練された美学と稀少な高級素材、そして真の機能性を兼ね備えた唯一無二の作品です。1906年より、メゾンは置時計、櫛、パウダーコンパクト、バッグミラーといったさまざまなオブジェを制作してきました。
テーブルクロック、1930年頃
イエローゴールド、アゲート、ジェイド、オニキス、コーラル
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
ハンドミラー、1965年
イエローゴールド、ガラス
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
パフュームボトル、1924年
プラチナ、イエローゴールド、ジェイド、象牙、エナメル、ラッカー、ダイヤモンド
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
特別な注文を受けて制作されてきた、一部の作品があります。そのひとつ、ヴァルナ ボートのミニチュア(1906年頃)は、エボニーとエナメルで作られ、中には呼び鈴が隠されていました。また、ゴールドや貴重な素材が輝く小さな鳥かごのラ カージュ オワゾー(1930年)は、インドの王子が蛙を入れるために制作されたものです。その後、貴石ベリルをあしらった2羽の鳥を入れられるよう、作り変えられました。
ヨット ヴァルナ号の小型模型、1906年
イエローゴールド、シルバー、ジャスパー、エボニーウッド、エナメル
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
メゾン ドルタンス 鳥かご、1935年
イエローゴールド、ルビー、サファイア、アゲート、ベリル、ラピスラズリ、コーラル、ガラス、ウッド、エナメル
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
時計制作の技術を駆使したメゾンのオブジェは、創意あふれる方法で、エレガントに時の経過を知らせます。1920年代に制作されたミステリークロックは、鮮烈なアメジストに彫刻を施した猿、コントラストカラーのオーナメンタルストーンを用いたパンダ、ダイヤモンドのパヴェを施した熊など、遥か彼方の世界に着想を得た動物たちを描いています。1990年代にはそれらを現代的に解釈した多くのミステリークロックが登場しました。1970年には、未加工の鉱石や、ウッドなどの有機素材を取り入れたペーパーウェイトが制作されました。オブジェに嵌め込まれた時計の文字盤が、糸のように編まれたイエローゴールドで囲まれています。
クロック、1926年
プラチナ、イエローゴールド、アメシスト、オニキス、アンバー、ダイヤモンド
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
テーブルクロックのデザイン画、1995年
ヴァン クリーフ&アーペル アーカイブス
卓上で使うものや装飾品、化粧道具や喫煙具に至るまで、ヴァン クリーフ&アーペルのオブジェに用いられる技術や宝石は、その時代ごとの歴史的な風習とメゾンのサヴォアフェールを物語っています。厳選された素材の組み合わせが際立つこれらのピースは、ジュエリーと時計制作、伝統工芸技術が交差して、対話を呼び起こす劇場のようなものです。